早朝の全社会議で新年の役員挨拶があるということで、早めに出社した。特に大それたスピーチは考えていなかったが、とりあえず、新年早々遅刻はしたくないので、7時半には会社に到着していた。すると偶然、入り口で社長に会い雑談しながら部屋に上がったのだが、階段の途中で掃除のおじさんとすれ違った。
すると社長は、ぴたっと足を止めて、清掃員の人に「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。」と挨拶をした。僕が知っている限りでは、今まで社長が挨拶で頭を下げた中で一番深々と頭を下げていた。むしろ清掃員の人が困っていたぐらいだった。
自分の会社を綺麗にしてくれている人たちへの感謝の気持ち。社長のその姿を見て、少し感動した。同時に自分にその気持ちがなかったことが悔しかった。僕と社長はまた雑談に戻り、部屋に向かったのだが、心の中で「今年もこの人についていこう」と思った。

